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新島ネオライト工業は流動層技術と発泡体粒子製造を専門とする地域密着型企業です。

TEL. 04992-5-2424

〒100-0400 東京都新島村字瀬戸山

流動層技術コラム
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〇高温での無機材料熱処理流動層 各スケールの特徴

1.ビーカースケール炉

概要 大学研究室などにも多用される。
汎用な管状電気炉を使用した『外熱式』流動層が多い。
サイズ 指が入る程度の内径3−4pが多い。
プレッシャープローブや熱電対の挿入管が流動化を阻害しないギリギリの内径。
制御機構
付帯設備
・マスフローコントローラー等で雰囲気ガス制御がしやすい。
・連続投入が困難のため、バッチ投入式が多い。

2.ベンチスケール炉

概要 研究室の専用スペースで設置する場合が多い。
管状電気炉による『外熱式』、プロパンガスによる層内燃焼『内燃式』、併用も可能。
サイズ  直径10pが多い。これは炉内に手が入る大きさであり、人力のみでも炉体を取り外せる限界サイズである。
チェーンブロックなどと併用を推奨。
制御機構
付帯設備
 ・連続投入が可能だが、装置に取り付けやすい市販のフィーダー・エゼクターユニットがない。
・エゼクターによる投入では、風量が少ないため、流動層の炉内圧に負けて、投入が困難になる場合がある。
・マスフローコントローラーで雰囲気や流量が制御可能であるが、大型のものが必要な場合もある。

3.パイロットスケール炉

概要 工場建屋に据え付けするサイズである。
試験生産まで対応できるサイズあり、他品目では商用規模にもなり得る。
サイズ  人が入る規模が多い。直径70pは作業員が中に入れる適正サイズ
加熱機構  直径30cm以上となり、外熱式では昇温困難のためおおむね『内燃式』になると思われる。
逆に層内燃焼では600℃以下の制御が困難であり、その領域は予熱炉からの熱風加熱が適している。
・プロパンノズルはどのサイズでも使用可能であるが、層内燃焼の工夫が必要。
・油バーナーは、装置規模と燃焼量が少ないため、市販の重油バーナーが存在しない。
 ⇒よってノズルとポンプを組み合わせた自作制御システムが必要となる。
制御機構
付帯設備
・集塵機が必要なサイズになる。
・マスフローコントローラーの使用は困難で、ブロワーやコンプレッサーの活用になる。
・流量測定もオリフィス等を活用する場合が多い。


〇スケールアップ開発の谷について

上記のように、ベンチ炉からパイロット炉に間が空きがちである。
30p〜50pくらいのサイズに試験炉としての谷があると思われます。
このサイズは明らかな使用目的をもった中間ステップもしくは、プロパンバーナーによる商業炉以外には、なかなか存在しません。
弊社では、内径70pのパイロット炉の炉壁にアタッチメントを挿入し、内径45pとして対応させております。


〇連続処理のスケールアップについて

流動層はスケールアップによって、縦方向の層高が増加します。
三次元的に仕込み容量が増加するたけでなく、滞留時間も増加させることが可能です。
単純計算でも、直径10pのベンチ炉から直径70pのパイロットスケール炉では7倍の滞留時間が得られます。

また、滞留時間が増加することにより、加熱温度を下げることができ、それにより融着トラブルを回避することができます。
融着トラブルが避けられるので、低風量条件に寄せることができ、原料通過型流動層ではさらに滞留時間を増加します。
すなわち、温度低下分を滞留増加で打ち消し、かつ全体を低風量とすることで低コスト可・付帯設備の簡素化が見込まる。
このようにスケールアップによる好循環が、我々技術者の想像以上に得られることもあります。

下記に論文を参考にした処理温度と滞留時間のデータを添付しますが、
ロータリーキルンに比べて、媒体流動層、特に粉粒流動層方式であれば、粒子サイズが小さくなることに加えて、
滞留時間と処理温度を劇的に低下させることができることがおわかりいただけると思います。

大型化することにより、層内の流動化が良好になるためかさらに空塔速度を低下させることが可能となり、
ベンチ炉に比べてパイロット炉の方が低風量で高品質の処理を行えております。
いくつか理由が考えられますが、外熱方式での小型装置では、ダウンフローが発生してせん断力の弱い壁面近傍が最高温度になりますので、この箇所から凝集・融着・流動化停止が進行しやすくなります。
例:弊社発泡体の焼成条件 ビーカー炉0.6m/s⇒パイロット炉0.35m/s

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